大人と、子供のためのイソップ寓話

「うさぎとかめ」や「北風と太陽」でおなじみのイソップ寓話。その作者は、古代ギリシャの奴隷でした。生きる上での知恵や処世術をユーモラスに書き記し、長い時を経ても今なお多くの人々に親しまれています。

これが日本に伝わったのは戦国時代末期、ポルトガルから来た宣教師たちが『エソポのハブラス』として紹介したのが始まりと言われています。しかし、言語も文化も違う人々に言葉だけで伝えるのが難しい時、それを助けるのが音楽。イソップ寓話は、西洋音楽と共に九州地方に持ち込まれたようです。

今回の公演「アントネッロのエソポのハブラス」は、そんな当時を、古楽器とソプラノ、テノールによる南蛮音楽にのせてつづる、面白くて哀しい日本の歴史とキリスト教のお話です。

普段あまりなじみのない古楽器の音色は、戦乱の時代の波に翻弄された人々が聴いていたかもしれない音色です。そんな時代に思いをはせながら聞くイソップ寓話は、一味も二味も違った深みをもってきます。

だから、これは大人と、子供のためのイソップ寓話なのです。

奇しくも、昨年7月には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録されました。ぜひこの機会に『エソポのハブラス』の歴史に触れてみませんか。

 

アントネッロのエソポのハブラス

日時:平成31年3月30日(土)13:30開場 14:00開演

場所:炎の博記念堂文化ホール

チケット:一般3000円、高校生以下1000円(当日は各500円高)

出演:アントネッロ(阿部雅子、中嶋克彦、石川かおり、西山まりえ、濱本智行、濱田芳通)

アリコーダー400+(有田町内のリコーダーを学ぶ子供たち)

問い合わせ:0955-46-5010(炎の博記念堂)